僕ハ、此処ニ。 1

ー此処ハ哀シイヨ。冷タイ場所ダヨ…ナノニ君ハ、此処ニ居タインダネ。モウ昔ミタイニ止メタリシナイサ。
             …君ガ望ンダコトダカラー

今日は11月の4日。時刻は、丁度2時。つい前までの街の背景は、ハロウィンで南瓜のお化けや可愛らしい魔女が沢山飾ってあったりしたけれど、もうクリスマスの飾り付けがしてある店もある。そんな街をただ立ち尽くしているのは僕だ。
僕の名は、沖山裕。中学2年の美術部所属。彼女いない歴14年。目立ってはないが、友達は結構多くて顔立ちもイケてる方のクールな男子中学生だ(自称)
 ナルシストとかキザとかじゃない。この時期の男子は大体、自分が一番格好いいと思っているだけなのだ。

 そういえば君、誰も居ない世界ってあると思うか? いや…奇妙なことを聞いてしまったね。御免、忘れてくれ… いや、でもね。もし君があると思っていたら、きっとその世界に通じている扉が開くかもね…。  いや、本当に何言ってるんだろう僕はw

「あれ、沖山君じゃない」
急に後ろから声がして、僕はすぐには声が出せなかった。
「…あ、琉架ちゃん」
僕を呼んだ彼女の名前は西谷琉架。僕の幼馴染みである。彼女は、平均より少し上くらいに頭が良くて、可愛い方で人気もの。色んな人に好かれてる。
僕と同じ美術部所属である。

琉 「商店街で何かお買い物?」
裕 「え… ま、そんなとこ。琉架ちゃんは?」
琉 「私は絵の具とか筆をね。江戸コンが迫ってきたからね。ちょっと家でシュミレーションをやろうと思って」
あ、そうか。もうすぐ部活でのコンテストが迫っているのか… 面倒いな…
琉 「ねぇ…今こんな事言うのも変だと思うんだけど…
   その…私、沖山君の事が」
(周りに居た人々)きゃぁぁぁぁぁぁ!!!

琉 「え… 何?」
人A 「さ…殺人気よ!!!!!」
   きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
殺 「お、可愛いお姉ちゃんではないか」
と、殺人気が琉架の前に来ると琉架の首に腕を巻き付けた。
殺 「ふふふ… 俺はここで50人もの人間を殺す!残りは42人だ。逃げる者は容赦しねぇ」
琉 「うぅ … だ、誰か…」
琉架は俺に助けを求めるように唸った。
…でも、琉架を助けにいった所で俺の命は無い。助けにいくなんて自分から命をたとうとしているだけだ。

琉 「お…沖山ぁ…く」
殺 「さっきから煩いんだよォォ!」
             グサッ